2025.2 FEBRUARY 71号

世界の農業農村開発

特集│多様な主体による農業農村開発協力の展開

「田んぼでアヒルを肥育」(本誌掲載のアヒル銀行の写真ではありません)

Contents

特集│多様な主体による農業農村開発協力の展開

世界の農業・農村は、気候変動や国際紛争の影響など厳しい現実に直面しているが、世界の人口増加等からその役割はますます重要なものとなっている。このような中、世界の農業・農村に対する支援も、これまでの政府開発援助(ODA)のみならず、多様な主体による支援が求められ、実施されるようになってきている。本誌では、これらの支援などについて、専門家の視点で探ってゆく。

 海外情報誌企画委員会 委員長  角田 豊

OPINION

アジアモンスーン地域における灌漑の課題と展望 ~多様な主体、人材育成、技術展開の視点から~

独立行政法人 国際協力機構(JICA)海外協力隊 農業土木隊員(奈良県食農部)  木下滉大

近畿大学農学部 教授  松野 裕

KEYNOTE

特集テーマに関連する各専門分野の有識者、先駆者などによる幅広い知見、最先端の取組などを紹介します。

Keynote 1
農業農村開発分野の国際協力における多様な主体との共創、環流、人材育成について

独立行政法人 国際協力機構 筑波センター(JICA筑波) 所長  高橋 亮

Keynote 2
農業におけるスマート水管理技術paditch(パディッチ)の開発・国内での普及と海外への展開

株式会社笑農和 代表取締役  下村豪徳

Keynote 3
本邦民間企業による国際協力と支援策

NTCインターナショナル株式会社  小手川隆志

Keynote 4
灌漑分野における対話・技術交流について

農林水産省農村振興局 設計課 海外土地改良技術室 課長補佐  古殿晴悟

INFORMATION CHANNELS

世界の農業農村開発や特集テーマに関係する団体・個人による実践的な取組や、現地・現場の動向、今後の予定などを紹介します。

REPORT & NETWORK
ベトナムにおける住民主体の地域づくり

特定非営利活動法人Seed to Table 代表  伊能まゆ

カンボジアにおける灌漑排水に関する技術基準の整備に向けて

元JICA専門家(農林水産省関東農政局利根川水系土地改良調査管理事務所次長)  徳若正純

北海道大学が取り組む国際協力

北海道大学大学院農学研究院 教授  井上 京

JIIDからの報告
日本と東南アジア諸国における土地改良事業実施体制の比較考察

元(一財)日本水土総合研究所 顧問  齋藤晴美


TREND 農業農村開発に関する国際スケジュール


編集後記


海外情報誌「世界の農業農村開発」について

 本誌は、一般財団法人日本水土総合研究所が定期的に発行しているものです。1994年(平成6年)からARDECとして発行してきましたが、初刊から30年近く経過したことから、第65号から「世界の農業農村開発」に名称を変更し、紙面をリニューアルしました。

 本誌発行の目的は、食料確保や貧困削減、環境・生態系保全などとも密接に関係する世界の農業農村開発の現状や課題を広くお伝えすることです。このため、学識経験者、政府機関、国際機関、民間会社その他団体等の皆様から関連する自然科学・工学・人文社会学的な知識や経験について、ご寄稿いただいています。主に海外の農業や農村に関する調査研究や取組について分かりやすく紹介したいと考えています。


一般財団法人 日本水土総合研究所について

 当研究所は、1978年(昭和53年)の設立以来、日本国内や海外において農業農村整備に関する政策や技術、知見についての調査研究や情報発信に取り組んでいます。英語名称は「TheJapanese Institute of Irrigation and Drainage」です。略称は英語名称の各単語の頭文字をとってJIIDとしています。

 当研究所の調査研究や情報発信においては、「産・官・学・民」のネットワークを活用し、その知見を融合することを特徴としています。「産」は民間企業、「官」は国や地方公共団体といった行政機関、「学」は大学・高校や試験研究機関、そして「民」は農業用水や農地を管理する団体である土地改良区や農業者など、幅広い関係者との連携を目指しています。


農業農村整備とは?

 農業農村整備は、水田や畑といった圃場での農業生産の継続や改善を目的として、①取水堰、貯水池、ため池、用水路、排水路といった農業水利施設を建設したり、今ある水利施設を改良したりする灌漑排水の整備、②圃場の区画を大きくしたり、平らにしたり、土壌の物理化学的性質を改良したりする農地の整備、③大規模自然災害に備えて農業水利施設や農地を強化したり、災害が起こった場合に復旧したりする農村の防災減災対策などを行うものです。これは、国内外における食料の確保や飢餓の撲滅に加え、農業者の所得向上、農村の持続的発展、自然環境の保全等に貢献しています。

表紙写真

「田んぼでアヒルを肥育」

(本誌掲載のアヒル銀行の写真ではありません)