海外情報誌_ARDEC

ウガンダ 写真提供:JICA/佐藤浩治
(ウガンダ 写真提供:JICA/佐藤浩治)

海外情報誌 “ARDEC”について

 本誌は農業農村開発に関する世界の新しい情報を読者に提供し、海外協力への理解を深めていただくために、1994(平成6)年度から1年に3回、2005(平成17)年度から2回発行しているものです。
 ARDEC(アルデック)とは、本誌の発行所である一般財団法人日本水土総合研究所(The Japanese Institute of Irrigation and Drainage:JIID)海外農業農村開発技術センター(Overseas Agricultural and Rural Development Center)の略称です。農林水産省、国際協力機構、国際農林水産業研究センター、農業農村工学会のご協力により編集を進めております。



ルワンダ 撮影:渋谷敦志/JICA
ルワンダ
写真提供:JICA/ 渋谷敦志


中央大学理工学部人間総合理工学科 教授 鷲谷いづみ

 生態系の視点からみれば、農地が放棄されると概して劣化した土地が増加する。農地が放棄されても、開発前の生態系に戻るわけではないからである。農地の放棄は、いくつかの社会経済的要因や環境的要因が複合して生じるが、放棄後にも、多様な環境上、社会経済上の問題が生じる。
 科学的な生態系修復(自然再生)が世界で最初に試みられたのは、砂嵐地帯化して放棄されたアメリカのプレーリーの開発農地である。プレーリーに開拓された広大な農業地帯は、入植以来300年もたたないうちに、肥沃な土壌が微塵となって消失する砂嵐地帯となり、多くの農地において耕作が放棄されたのである。その生態系の状態を目の当たりにしたウィスコンシン大学生態学教室の教授であったアルド・レオポルドは、プレーリーの草原を復元する取組に着手した。
 一方、農地開発が続いているミシシッピ川流域の環境問題も深刻である。大規模農業地帯が広がるミシシッピ川上流域からの農業排水に由来する栄養汚染の影響範囲は海洋にまで及び、毎年、河口のメキシコ湾に広大な「死の海」ともいえる低酸素水域を広げている。
 本稿では、耕作放棄農地をめぐる生態系の問題を考察し、主に生物多様性・生態系サービスの視点から、土地の価値を高める方策について検討する。



バングラデシュ 撮影:谷本美加/JICA
バングラデシュ 
写真提供:JICA/谷本美加)

水と農業の歴史に学ぶ

  国内技術検討委員会委員長 松浦良和
東京農工大学 名誉教授        
 日本農業賞天皇杯等審査会長 千賀裕太郎
亜細亜大学国際関係学部 教授 角田宇子
東京大学 名誉教授     
福島大学 名誉教授 虫明功臣
京都大学 東南アジア地域研究研究所 特定研究員 福原隆一
ニズワ大学アフラージュ研究ユニット(オマーン)     
  アブドゥッラー・ガフリ(Abudallah Al-Ghafri)
国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター     
農村開発領域 主任研究員 山岡和純
安積疏水土地改良区 総務課 橋本一也



海外および国内の農業・農村に関連する、新しい視点や情報をお届けします。
インド 撮影:谷本美加/JICA
インド 
写真提供:JICA/谷本美加

INFORMATION
川村学園理事・同女子大学 特任教授   
国際教養大学 客員教授         
元駐エジプト大使、元駐カナダ大使 石川 薫
TREND
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一般財団法人 日本水土総合研究所(JIID)
主任研究員 花田潤也
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一般財団法人 日本水土総合研究所(JIID)
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