海外情報誌_ARDEC

研修にて秋田県大潟村の田園を視察 写真提供:JICA/久野真一
(研修にて秋田県大潟村の田園を視察 写真提供:JICA/久野真一)

海外情報誌 “ARDEC”について

 本誌は農業農村開発に関する世界の新しい情報を読者に提供し、海外協力への理解を深めていただくために、平成6年度から1年に3回、平成17年度から2回発行しているものです。
 ARDEC(アルデック)とは、本誌の発行所である一般財団法人日本水土総合研究所(The Japanese Institute of Irrigation and Drainage:JIID)海外農業農村開発技術センター(Overseas Agricultural and Rural Development Center)の略称ですが、農業土木技術者全体の情報誌として位置づけていることから、農林水産省、国際協力機構、国際農林水産業研究センター、農業農村工学会のご協力により編集を進めております。



ネパール 撮影:佐藤浩治/JICA
ネパール
写真提供:JICA/佐藤浩治


九州大学大学院農学研究院 教授 吉村 淳

 植物科学分野において、これまで多くの顕著な基礎研究成果が日本で生まれ、農業や環境問題への応用が期待されてきた。実際、研究者自身も研究成果が社会に役立つと(うたってはみても、実社会に還元するプロセスまで移行したものは少ない。植物研究分野においては、基礎研究と応用研究は乖離(かいりしている部分が多く、研究成果が直ぐに実社会に結びつくことはそう簡単ではなかった。
 本稿で紹介する2つのプロジェクトにおける私たちの活動は、これまでの植物の基礎的かつ基盤的研究成果をイネの育種という手法で、実社会に還元する試みであったともいえる。とくに、世界でもっとも重要な作物の1つであるイネにおいて、そのような研究成果が発展途上国における育種に応用され、良好な結果が見えつつあることは、日本で蓄積されてきたイネにおける科学的知見の意味と可能性を実証したともいえる。
 世界に目を向ければ、深刻な食料問題があり、この問題の軽減すなわち“Feeding the World”に向けて、植物科学が有するポテンシャルは大きい。今後、さらに日本の植物科学の成果が、世界の食料問題や環境問題の解決の糸口になると信じたい。一方、基礎研究と応用研究を橋渡しする人材が少ないことも事実である。この分野の人材育成とそのキャリアパスの確保を期待したい。



フィリピン 撮影:谷本美加/JICA
フィリピン 
写真提供:JICA/谷本美加)

多様な農業技術の多彩な展開
—第二の「緑の革命」への道—

          ARDEC 企画委員長 松浦良和
千葉大学 名誉教授
植物工場研究会 理事長 古在豊樹
   東京大学大学院農学生命科学研究科 教授 岡田謙介
  東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授 山路永司
       宮崎大学地域資源創成学部 講師 井上果子
     CGIAR事務局 専門官 村中 聡
国際稲研究所 理事
アフリカ稲センター 理事 野口明徳
独立行政法人 国際協力機構(JICA)
農村開発部 農業・農村開発第二グループ 企画役 田中 理
国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター(JIRCAS)     
  農村開発領域 主任研究員 山岡和純


海外および国内の農業・農村に関連する、新しい視点や情報をお届けします。
タンザニア 撮影:久野武志/JICA
タンザニア 
写真提供:JICA/久野武志

INFORMATION
 元駐チリ大使 村上秀德
TREND
─JIIDから─
一般財団法人 日本水土総合研究所(JIID)
総括技術監 角田 豊