2022.8 AUGUST 66号
特集│これからのアフリカ農業支援
Contents
│特集│これからのアフリカ農業支援
現在の世界の農業農村開発の中で、アフリカの農業農村開発は引き続きの喫緊の課題である。我が国は、アフリカ開発会議(TICAD)をはじめ、アフリカ稲作振興のための共同体(CARD)等様々な取り組みで、支援してきている。本年8月のチュニジアでの第8回TICADを踏まえ、アフリカの農業農村開発の現状や今後の展開を専門家の視点から読み解いでいく。
海外情報誌企画委員会 委員長 角田 豊
独立行政法人 国際協力機構(JICA) アフリカ部長 増田淳子
特集テーマに関連する各専門分野の有識者、先駆者などによる幅広い知見、最先端の取組などを紹介します。
Keynote 1
アフリカにおける農林水産分野での取組~TICAD8に向けた課題~
農林水産省輸出・国際局新興地域グループ 参事官 吉岡 孝
Keynote 2
脱炭素時代のアフリカ農業開発
一般財団法人ササカワ・アフリカ財団 技術統括部長 花井淳一
Keynote 3
アフリカにおける農業デジタル化基盤の構築
NTCインターナショナル株式会社 鶴谷 学
世界の農業農村開発や特集テーマに関係する団体・個人による実践的な取組や、現地・現場の動向、今後の予定などを紹介します。
REPORT & NETWORK
エチオピアの農業開発の展開方向~コメ政策を中心に~
エチオピア農業省農業政策アドバイザー 浦杉敬助
東京農業大学 国際農業開発学科 教授 高根 務
株式会社三祐コンサルタンツ 家泉達也
JIIDからの報告
アフリカの農業農村開発に向けた日本水土総合研究所の取組
ANNOUNCEMENTS
BOOK GUIDE 『アフリカから始める水の話 アマンズィ・アインピロ-水は命』
石川 薫・中村 康明 共著
INFORMATION
第4回アジア・太平洋水サミットの結果概要(報告)
国土交通省水管理・国土保全局水資源部水資源計画課 専門調査官 伴 尚志
企画専門官 中村康明
TREND 農業農村開発に関する国際スケジュール
本誌は、一般財団法人日本水土総合研究所が定期的に発行しているものです。1994年(平成6年)からARDECとして発行してきましたが、初刊から30年近く経過したことから、第65号から「世界の農業農村開発」に名称を変更し、紙面をリニューアルしました。
本誌発行の目的は、食料確保や貧困削減、環境・生態系保全などとも密接に関係する世界の農業農村開発の現状や課題を広くお伝えすることです。このため、学識経験者、政府機関、国際機関、民間会社その他団体等の皆様から関連する自然科学・工学・人文社会学的な知識や経験について、ご寄稿いただいています。主に海外の農業や農村に関する調査研究や取組について分かりやすく紹介したいと考えています。
当研究所は、1978年(昭和53年)の設立以来、日本国内や海外において農業農村整備に関する政策や技術、知見についての調査研究や情報発信に取り組んでいます。英語名称は「The Japanese Institute of Irrigation and Drainage」です。略称は英語名称の各単語の頭文字をとってJIIDとしています。
当研究所の調査研究や情報発信においては、「産・官・学・民」のネットワークを活用し、その知見を融合することを特徴としています。「産」は民間企業、「官」は国や地方公共団体といった行政機関、「学」は大学・高校や試験研究機関、そして「民」は農業用水や農地を管理する団体である土地改良区や農業者など、幅広い関係者との連携を目指しています。
農業農村整備とは?
農業農村整備は、水田や畑といった圃場での農業生産の継続や改善を目的として、①取水堰、貯水池、ため池、用水路、排水路といった農業水利施設を建設したり、今ある水利施設を改良したりする灌漑排水の整備、②圃場の区画を大きくしたり、平らにしたり、土壌の物理化学的性質を改良したりする農地の整備、③大規模自然災害に備えて農業水利施設や農地を強化したり、災害が起こった場合に復旧したりする農村の防災減災対策などを行うものです。これは、国内外における食料の確保や飢餓の撲滅に加え、農業者の所得向上、農村の持続的発展、自然環境の保全等に貢献しています。
表紙写真
「収穫した稲を運ぶマダガスカルの女性」
マダガスカルはアフリカ大陸の南東、西インド洋に位置する島国で、アフリカの中ではコメの生産が盛んな国です。