海外情報誌_ARDEC

チャド 撮影:大石芳野/提供:JICA
(チャド 撮影:大石芳野/提供:JICA)

海外情報誌“ARDEC”について
 本誌は農業農村開発に関する世界の新しい情報を読者に提供し、海外協力への理解を深めていただくために、平成6年度から1年に3回、平成17年度から2回発行しているものです。
 ARDEC(アルデック)とは、本誌の発行所である財団法人日本水土総合研究所(The Japanese Institute of Irrigation and Drainage : JIID)海外農業農村開発技術センター(Overseas Agricultural and Rural Development Center)の略称ですが、農業土木技術者全体の情報誌として位置づけていることから、農林水産省、国際協力機構、国際農林水産業研究センター、農業農村工学会、海外農業開発コンサルタンツ協会のご協力により編集を進めております。


カンボジア/提供:FIDR
(カンボジア/提供:国際開発救援財団

食料安全保障と国際貢献

国際協力機構(JICA)
副理事長 大島賢三

 食料安全保障と国際貢献―この二つの課題に、かつてなかったほど世界の関心が集まっている。相互依存を急速に強めている国際社会において、食料安全保障の課題はもはや国内問題ではなく、また、一国のみの努力によって解決しうる問題でもない。昨今の食料価格高騰による世界の食料市場の混乱、とりわけ発展途上国における危機的な状況は、改めて世界経済の相互依存の複雑さと、地球温暖化などの環境問題などとの根深い繋がりを浮き彫りにしている。今、我々は、食料安全保障と発展途上国に対する国際貢献の在り方について、改めて真剣な議論を行い、明確なイニシアティブの下、関係国・機関が協働した行動を起こす必要がある。
  こうした情勢のなかで、食料価格高騰のピークと波長を合わせるかのように、本年5月からTICADWやFAO食料サミット、G8北海道洞爺湖サミットなどハイレベルの国際会合が相次いで開催された。そこでは、食料価格の高騰問題や発展途上国に対する支援の在り方が主要な議題となり、いくつかのイニシアティブが打ち出された。

セネガル 撮影:今村健志朗/提供:JICA
(セネガル 撮影:今村健志朗/提供:JICA)


食料安全保障と国際貢献

食料安全保障の確立に向けて

東京大学 教授 鈴木宣弘

日本の食料安全保障、世界の食料安全保障

農林水産省 大臣官房 食料安全保障課 
課長 末松広行

世界食料危機に日本はどのように対処すべきか

石川県立大学 教授 辻井 博

日伯セラード農業開発協力事業が食料安全保障に果たした役割と展望

国際協力機構(JICA)常勤嘱託 本郷 豊

食料価格危機に求められるグローバルな対応

国際食糧政策研究所(IFPRI) 所長 
ヨアヒム・フォン・ブラウン


世界の協力機関が取り組んでいる課題や新しい技術についての、最新情報をお届けします。

ガーナ 撮影:今村健志朗/提供:JICA
(ガーナ 撮影:今村健志朗/提供:JICA)

G8の食料安全保障声明から見えてきたもの

日本農業新聞 編集委員 山田 優

NGO、企業、政府との連携の可能性
〜マラウイの有機農業、栄養・衛生改善を通じて〜

社団法人 日本国際民間協力会(NICCO) 理事長 小野了代

誰のためのプロジェクト
〜アジア開発銀行(ADB)に20年勤務して〜

財団法人 日本水土総合研究所(JIID) 主席研究員 宮里哲郎

BOOK REVIEW

『地球温暖化と農業』 渡邉紹裕編著

TREND

―JIIDから―
今年度のJIIDの海外関連業務の紹介

編集後記