21世紀の食料・環境・ふるさとを考える
HOME  >  事業案内  >  農村振興企画グループ

農村振興企画グループ


「水土」を支える農業農村整備の探究


 我が国の農業農村は、人口減少・過疎高齢化に伴う構造変化や気候変動による大規模災害の発生等の課題を抱えている。我が国農業の持続可能な発展と農村の振興を図る観点から、少数の担い手が農業を担う新たな農業構造に対応し、災害に強い強靱な農業の基盤を獲得することが重要である。そのためには、農業農村整備を通じて、農地や農業水利施設等の地域資源「水土」を最大限に活用し、食料の安定供給と多面的機能の発揮を実現していくことが重要な課題となっている。
 農村振興企画グループでは、農業農村整備の推進に資するため、農業の競争力強化と多面的機能の発揮に必要な農業農村の振興に関する調査研究に取り組んでいる。具体的には、国営事業を契機とした農村振興、構造改革に資する農地整備、新たな事業効果の算定、人口減少時代の農村整備手法、多面的機能支払などに関する調査研究を行っている。


最近の主要な研究実績

−国営事業を契機とした農村振興−

 国営土地改良事業は、農地や農業水利施設等の広域的な生産基盤を整備することにより、地域農業の発展のみならず、多面的機能の発揮に寄与し、地域の維持・発展に貢献している。今日、社会経済情勢が変化し、国民及び地域住民の意識が多様化する中、農村の地域資源や土地改良事業の役割についての理解を深め、地域が一体となった農村振興が望まれている。  このような中、当研究所では、国営事業を通じた地域活性化に関する調査研究や、多面的機能の定量化などに取り組んでいる。

−農業生産基盤整備の経済効果分析−

 農業の競争力強化に必要な農業生産基盤整備を進めていく視点から、当研究所では、ほ場整備が農地の利用集積や規模拡大、担い手の育成、生産費の低減などに寄与している効果や、大区画ほ場への再整備などに関する調査研究を行っており、ほ場整備の推進が農業政策上の高い効果があることを明らかにしている。また、東日本大震災の発生などにより対応が急務となっている大規模地震対策や農地の利用集積に係る費用対効果の調査研究も進めている。

−多面的機能支払の推進等による農村振興−

 農村の人口減少・過疎高齢化が進み、集落機能の維持と地域資源の保全が困難になりつつある中、当研究所では、多面的機能支払を推進するため、活動組織の広域化、NPO法人化や新規活動要因などに関する調査研究を行っている。また、「集約とネットワーク化」など人口減少時代に対応した農村整備手法の検討を進めている。