海外情報誌_ARDEC

東チモール 撮影:今村健志朗/提供:JICA
(東チモール 撮影:今村健志朗/提供:JICA)

海外情報誌“ARDEC”について
 本誌は農業農村開発に関する世界の新しい情報を読者に提供し、海外協力への理解を深めていただくために、平成6年度から1年に3回、平成17年度から2回発行しているものです。
 ARDEC(アルデック)とは、本誌の発行所である財団法人日本水土総合研究所(The Japanese Institute of Irrigation and Drainage : JIID)海外農業農村開発技術センター(Overseas Agricultural and Rural Development Center)の略称ですが、農業土木技術者全体の情報誌として位置づけていることから、農林水産省、国際協力機構、国際農林水産業研究センター、農業農村工学会、海外農業開発コンサルタンツ協会のご協力により編集を進めております。


バングラデシュ 撮影:其田益成/提供:JICA
(バングラデシュ 撮影:其田益成/提供:JICA)

日本の食と農のゆくえ: 2030年に向けて

東京大学 大学院農学生命科学研究科 科長 生源寺眞一

 2 0 3 0 年に向けて何をなすべきか。日本の農業には難問が山積である。とくに優先度の高い課題をあげるとすれば、担い手の確保、とりわけ水田農業の担い手の確保である。
  担い手不足は、ここ5年、1 0 年のあいだに急に現れた問題ではない。2 0 年前、3 0 年前に若者だった人々の就業選択行動が累積した結果として、現在の危機的な状況が生み出されている。だとすれば、「明日の担い手政策」を欠いた担い手政策に長期の持続性はないといわなければならない。多様な入口からの新規就農者を迎え入れ、独り立ちした農業経営者へと育て上げるキャリアパス(生産技術や経営管理を習得できる道筋)を整備する必要がある。若い農業者を育成する場として、法人経営や集落営農にも期待がかかる。

セネガル 撮影:今村健志朗/提供:JICA
(セネガル 撮影:今村健志朗/提供:JICA)


農業用水管理への新たな取組み

用水の体積当たり課金制度の有効性を左右する諸条件

中村・水と農研究所 代表 中村良太

「河川流域における総合水資源管理のためのガイドライン」について

独立行政法人 水資源機構 総合技術センター 国際グループ 落井康裕

─三重県・立梅用水─
地域住民も参加した農業用水管理

水土里ネット立梅用水 高橋幸照

─ベトナム─
参加型水管理への取組み

国際協力機構(JICA)チーフアドバイザー 大平正三
同専門家 平林秀紀、齊藤一俊

─カリフォルニア─
水管理:流域変更と水取引

近畿大学 農学部 教授 八丁信正

─マラウイ─
農民による灌漑施設の建設、運用、維持管理に向けた新たな取組み

株式会社 三祐コンサルタンツ 海外事業本部 家泉達也


世界の協力機関が取り組んでいる課題や新しい技術についての、最新情報をお届けします。

ブルキナファソ 撮影:今村健志朗/提供:JICA
(ブルキナファソ 撮影:今村健志朗/提供:JICA)

CLIMATE CHANGE

モンスーンアジアの稲作と水文環境を考慮した温暖化適応策

農研機構 農村工学研究所 地球温暖化対策研究チーム長 増本隆夫

BOOK REVIEW

『ウォーター・ビジネス』

モード・バーロウ著、佐久間智子訳

BOOK REPORT

OECDレポート『みんなのための水管理』

TREND

―JIIDから―
東南アジアの発展途上国におけるハザードマップの作成

編集後記