(C)JICA、今村健志朗撮影
2005年1月、インドネシアにてJICA国際緊急援助隊

編集後記

 自然災害から絶対的に安全な地域はありません。ハリケーン「カトリーナ」はメキシコ湾岸の諸都市をおそいました。ニューオリンズはとりわけ大きな被災をしました。そこでの最大の被害者は貧しい人々でした。また、水害を大きくしたのは破壊された河川環境でした。環境破壊は自然災害の被害をより大きくします。
  インド洋大津波でも、「サンゴ礁やマングローブ林が破壊されていない地域では災害はより小さいものであった。こうした生態系は自然の猛威から、暮らしを守ってくれるということを、大津波が私たちの眼前につきつけた」とUNEPの事務局長が述べています。
  貧しい人々は都市のスラムに住み、あるいは急傾斜地に住まざるを得ず、自然災害の大きなリスクにさらされ、また復興の経済力もありません。もちろん起きてしまった災害からの復興、すでに展開してしまっている内戦・紛争地域における平和構築は大切なことです。同時に食料の安定供給のできる農業・農村開発を支援し、貧困を少しでも解消し、また防災のインフラを整備していくことが、長期的に復興を進めるために望まれることでしょう。

編集委員

委員長  塩田克郎 
委 員  渋澤孝雄 内藤久仁彦 馬目雄一 岩本 彰 

画像は、国際協力機構(JICA)・著者から提供されたものです。
撮影は東ティモール、このページの写真;今村健志朗/マレーシア、タイ、;井上博司。
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