編集後記
ある環境雑誌に「村人とサルの水争い」の記事がありました。「ケニア北部で生息地を離れて水を求めるサルの群れと村人が、給水車からの水の配給が始まったときに争いが始まった。8頭のサルが殺され、村人も10人が負傷した。なお、このサルはかつて人など襲ったことがなく、まさに極度の水不足が原因である」と。世界にとって貴重な水ですが、あらゆる生物もいわば水の需要者に違いありません。
さて、今号は思い切ってソフトな内容にしてみました。水、農業、食料をめぐって調和を見出す“まなざし”、そして調和を実現する“試み”を読み取っていただける事と思います。どちらも“効率”という数字には、なじまないものですが、じつは何かを定量化するその根底に横たわるものです。左の写真は村のどこにでもいた赤トンボとトノサマガエルです。執筆者のおひとり、宇根豊さんに拝借した“まなざし”です。
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