1 近代に入りエネルギー転換により薪炭材は使われなくなり、山に人手が入らなくなった。加えて中山間地や農村の高齢化、都市への人口流出は、農業就業者の減少を招いている。その結果、耕作放棄地が増え、景観維持は難しくなるとともに、人の手が入って維持されてきた里山の生態系も失われつつある。
2 日本でも江戸時代には木材需要増による乱伐が行われ、明治期の北海道開拓は森林から農地への転換でもあった。近年は農業従事者の高齢化及び減少、農業生産の低下から、農業そのものが自然環境に大きな影響を与える存在とはなっていない。
3 生態系に由来する人々の利益になる機能を指し、大きく４つのサービス（供給、調整、生息・生育地、文化）に分類される。このうち、農業に大きく影響を与えるのは、調整サービスに含まれる気候調整、水量調整、土壌侵食抑制、地力維持などがある。
5 2021年から2030年までの10年間を「国連生態系回復の10年」とすることが2019年3月の国連総会で決議。その目的は、世界中の生態系の劣化を予防し、食い止め、反転させるための努力を支援し、拡大させること、及び生態系回復を成功させる重要性についての認識を高めることにある。
6 日本ではフードロス（食料廃棄）と一括りにされているが、厳密には、農産物の収穫後から卸しに至るまでに生じるフードロスと消費過程で生じるフードウェストに区分される。前者は開発途上国において多く生じ、一方、後者は中・先進国で多く発生している。
7 泥炭地とは、枯れた植物が土壌微生物による分解を受けずに、有機物のかたまりとして堆積した土地で、大量の水と炭素を抱えている。
8 開発途上国等への気候変動対策によって実現したGHG排出削減・吸収への貢献を定量的に評価し、日本のNDCの達成に活用する二国間クレジット制度。現時点で29カ国と JCMの協定を結んでいる。
9 セーフガードとは、主に森林ガバナンス，自然環境，地域社会等へ負の影響を及ぼすリスクを回避・軽減し、環境社会面での好ましい効果を増大させるための政策・施策のこと。2010 年末に開催された UNFCCC COP16のカンクン合意（Decision 1/CP.16）のパラ69でセーフガードの促進が明記された。
10 IUFRO （2024）”INTERNATIONAL FOREST GOVERNANCE: A CRITICAL REVIEW OF TRENDS, DRAWBACKS, AND NEW APPROACHES A Global Assessment Report”, IUFRO World Series Vol. 43 162pp　
https://www.iufro.org/fileadmin/material/publications/iufro-series/ws43.pdf
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https://www.agrinews.co.jp/news/index/216608
農林水産省（2020）“気候変動に対する農林水産省の取り組み” 農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/GR/attach/pdf/s_win_abs-71.pdf
農林水産省（2024）“農業分野のカーボンクレジットの取り組み推進に係る最終調査結果”　農林水産省　
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/climate/jcredit/attach/pdf/240417_3-1.pdf