2022.2 FEBRUARY 65号
OPINION
1 はじめに
我が国の海外農業農村開発は、国内で培ってきた灌漑排水分野等の知見や技術を活かして、開発途上国の経済成長、地域振興に貢献することを主たる目的として国際協力という形で長年に亘り実施されてきた。これまで積み重ねてきた国際協力における援助対象はアジアから世界各国へ拡がり、援助手法もハード整備を中心としていた形からソフト支援を組み合わせる形に移行してきた。また、国際協力を後押しする形で農林水産省は、灌漑排水技術に関する技術や人材を提供するとともに、砂漠化防止、土壌浸食防止、村づくり、参加型水管理技術などの技術・手法を民間企業や学識経験者の協力・支援を得て、主体的に開発し、国際協力に導入を図ってきた。
我が国ODAの多くはアジア諸国に向けられてきたが、ODAによって整備された経済・社会インフラが貿易・投資の誘い水となって目覚ましい発展を遂げてきた。また、2010年代に入ると、様々な支援を得てきたアジア諸国のみならずアフリカ諸国においても、徐々に経済成長が遂げられてきた。そのような中、当然のことではあるが、開発途上国での経済成長に伴い、援助ニーズが多様化し、農業農村開発分野での協力案件は年々減少傾向となっている。
しかしながら、開発途上国の経済発展にもかかわらず、国際社会は未だ開発課題を克服できないままでいる。むしろ、グローバル化が益々進展し、世界的な規模で人、物、サービス、資本などが迅速に移動するようになり、世界の地域・経済格差が広がるとともに、地球温暖化や食料問題など自国だけでは解決することが不可能な問題が顕在化している。そのため国際社会は、開発目標の共有と開発戦略の構築を進展させて今日に至っている。
本稿では、我が国が行なってきた海外農業農村開発について、持続可能な開発目標(SDGs)との関係や、最近の国内外の動きや援助動向を左右するトピックに触れた上で、SDGs達成に向けて、今後我が国が海外農業農村開発をどのように進めていくことが望ましいのか、これまでの自身の経験を踏まえて、その展開方向についていくつかの提案を行うこととする。
2 SDGsと農業農村開発
グローバル化が進展していく過程で、国際社会では持続可能な開発に関する議論が潮流となり、開発目標の国際的な共有化が進み、2015年を目標として2000年に採択されたのがミレニアム開発目標(MDGs)である。これに続いて、MDGsの達成状況、課題の実態を踏まえて、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2016年から2030年までの国際目標がSDGsである。
SDGsでは、17の目標(ゴール)が設定されており、それぞれに対してより具体的なターゲットが計169示されている。これらは、各国それぞれの状況、能力、発展段階、政策や優先課題を踏まえつつも、地球規模で、かつすべての国に対応が求められる性質のものとされている。各国政府関係機関は、この地球規模のターゲットを自らの上位目標として掲げ、具体的な国レベルの計画や政策、事業などへの反映に努めている。国連は新たに目標達成年である2030年までの10年間を「行動の10年」とし、取組を加速させていくことを世界中の人々に呼びかけている。
SDGsに関して我々が深く関わっている「水」の確保は、農業生産と農村生活の向上の基本的な要素であるだけでなく、食料生産と農村社会の安定化を通して、環境保全や国全体の産業と社会の安定化をもたらすものである。そのため「水」は、SDGsの中でそれ自身に関する整理がなされた目標6(水・衛生)だけでなく、目標1(貧困)、目標2(飢餓・農業)、目標7(エネルギー)、目標9(インフラ整備)、目標11(レジリエンス)に関わる他、ほぼすべての目標に密接に関わっており、目標13(気候変動)への対応を含めて、「水」の一貫した重要性が確認されている。
3 海外農業農村開発を取り巻く国内外の動き
前述のように国際社会は、グローバル化する開発課題の解決に向けて、高い目標を掲げ、国際的な議論を深め各種取組を推進することとなった。一方、2000年からこれまでの間で国内外情勢は大きく変化している。
(1) 新興・途上国の経済的台頭
世界経済を見ると、2000年頃から世界の実質GDP成長率に占める先進国の寄与度は次第に低下してきているのに対し、中国を含めた新興・途上国による世界経済の成長への貢献度が上がってきている。また、世界の貿易割合についても、新興・途上国の台頭が目覚ましい。外国直接投資をみても、受け手としての新興・途上国の割合は、2000年頃には1割から2割程度だったものが、2003年以降急速に増加し、2010年には51%と初めて先進国を上回り、2014年に57.4%まで上昇した。2020年では40.9%となっているものの新興・途上国の位置づけは高位を維持している。
(2) 先進国によるイニシアティブの発揮
グローバル化する開発課題に対して、各国や関係機関の取組が本格化すると、先進国がそれぞれの得意分野でイニシアティブを執り、国際的なルール作りを推進するようになった。我が国も質の高いインフラ、防災、海洋プラスチックごみ、気候変動、ジェンダー、保健、教育などの得意分野でリーダーシップを発揮してきた。
(3) 世界的な食糧問題の深刻化
世界ではすべての人が生きていくために必要な十分な量の食糧が生産されているにもかかわらず、開発途上国の経済成長と人口増加に伴い食糧不足が叫ばれている。2019年の調査によると、世界の飢餓人口は約7億5千万人以上とされ、10人に1人が飢餓に直面している状態にある。その主な原因は次のとおりである。
①自然災害
世界で発生している食糧問題は様々な原因が絡み合って発生しているが、大きな要因として考えられるのは自然災害であり、農業生産に直接的に影響を与え、農作物の生産を脅かしている。特に低・中所得国においては、干ばつ・洪水などの異常気象による自然災害が発生すると、食糧の確保が難しくなるだけでなく、生活が立ち行かなくなる人々が存在し、経済全般に大きな影響が生じてしまう。とりわけ国際社会は、干ばつによる農業被害が深刻なものと捉えている傾向がみられる。他方で近年は、先進国においても自然災害による被害が見られるようになり、欧米では洪水が発生し被害が出るようになったことは注目すべき点だと思われる。
②食糧生産と貧困の負のスパイラル
食糧生産と貧困には関連がある。農業は他産業と比べると従事者の収入は高くないことから、農業従事者の収入が十分に得られない場合、作物の生産能力が落ちてしまい、その結果、農業従事者が困窮し食料も買うことが出来なくなるという負のスパイラルに陥ってしまう恐れがある。
③農産物の需要と供給とのバランスの欠如
世界的に食糧需要は年々伸びている。その要因としては、世界的な人口増加、所得向上による畜産物需要の増加、中国やインドなど新興国の成長、バイオ燃料向け農産物の需要増加などが挙げられる。他方、農業技術が向上し、面積当たりの収量は増加しているものの、異常気象の頻発、砂漠化の進行、水資源の制約、家畜伝染病の発生などによって農産物の供給が不安定な状況にあると言える。
このことに加えて、未だ収束の見通しが立たない新型コロナウイルスの感染拡大により、世界の食料システムはあまりにも脆弱であることが明らかとなった。国・地域間での経済連携が進み、貿易・経済の補完体制が確立したようにも見えるが、ひとたび流通システムが止まってしまうと需要を満たすことができない事態が容易に発生することを経験した。
(4) 海外派遣職員の減少
国内動向を見てみると、2011年3月に発生した東日本大震災で受けた被害からの回復を図るべく、我が国政府は財源や人的リソースを復興支援へ集中的に注いできた。農林水産省においても、東日本大震災からの復旧復興や、農地・森林の除染を速やかに進めるため、職員の復興庁・環境省等への出向及び被災自治体との人事交流が進められ、海外に派遣されていた職員数は年々減少していった。
(5)我が国のインフラシステム海外展開や輸出促進の取組
政府は、低迷する国内経済からの脱却とアジア新興国を中心とした経済成長のため、国民生活や経済社会活動の基盤であるインフラに対する整備や更新のニーズの増加を踏まえた、グローバル市場の今後一層の拡大を見通している。今後政府は我が国が持続的な経済成長を実現し、さらには世界的なインフラ需要を戦略的に取り組む必要があると判断される。
このような状況を受けて、政府はインフラシステムの海外展開を国の重要戦略の1つとして掲げ、2013年、「インフラシステム輸出戦略」を策定するとともに、業界からのニーズに応えるべく政策の充実を図ってきた。農林水産省は当初インフラ輸出支援官庁には名を連ねていなかったが、後発ながら農業分野についてもインフラ輸出支援対象に加えられ、農林水産省は、我が国食産業の海外展開と成長、民間投資と経済協力との連携による途上国の経済成長、食のインフラ輸出と日本食品の輸出環境の整備の推進を図るため、2014年に「グローバル・フード・バリューチェーン戦略」を策定し、政府として民間企業の海外展開を支援してきた。
これに加えて、政府・農林水産省は、成長戦略の1つとして日本産農林水産物の輸出促進を掲げ、2025年までに2兆円、2030年までに5兆円という輸出額目標を設定した。この目標を実現するために、これまでの国内市場のみに依存する農林水産業・食品産業の構造を、成長する海外市場で稼ぐ方向に転換を図ろうとしている。
(6) 地球規模問題に対する国内外の取組
国際社会において、地球温暖化や生物多様性などグローバルな開発課題が活発に議論されるようになり、環境保護が議論の中心となりつつある。SDGsや環境に対する関心が国内外で高まり、重要な行動模範としてあらゆる産業に浸透しつつある。国民の価値観の多様化や新型コロナウイルスの発生もあり、健康な食生活や持続可能な生産・消費を求める動きがみられる中、ビジネスにおいても持続可能性への取組となっているかどうかが企業評価、ESG等の観点で重要な判断基準となりつつある。また、EUは2020年5月、「ファーム to フォーク戦略」として化学農薬・肥料の削減等に向けた意欲的な数値を打ち出し、米国は2020年2月、「農業イノベーションアジェンダ」として、農業生産量の増加と環境フットプリントの削減の同時達成を目標に掲げたアジェンダを公表した。米国政府はパリ協定への復帰を発表し、国内外の気候変動に対処することを表明するなど、欧米勢の動きが活発化している。
我が国においても、国際環境交渉や諸外国の農薬規制の拡がりに的確に対応することが必要となり、農林水産省としても国際的なルールメイキングに参加し、持続可能な食料システムの構築を図るため、2021年に、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」を策定し、今後、政策展開を図ろうとしている。
4 援助動向を左右するトピック
(1) 気候変動への対応
国際社会において、気候変動問題は、一刻を争う重要な課題である。1992年に採択された国連気候変動枠組条約に基づき、1995年より毎年、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)が開催され、世界での実効的な温室効果ガス排出量削減の実現に向けて、精力的な議論が行われてきた。
2020年12月に開催された「気候野心サミット」において、我が国は、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする、「カーボン・ニュートラル」の実現を目指すことを宣言し、国際協力にも引き続き取り組むことを表明した。
また2021年11月に開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)の首脳級会合において、我が国は気候変動という人類共通の課題に総力を挙げて取り組んでいく決意を述べ、先進国全体で年間1000億ドルという資金目標の達成に貢献していくため、新たなコミットメントを表明した。その1つとして、我が国は、2025年までの5年間で適応分野での支援を倍増し、官民合わせて約148億ドルの適応支援を含めた協力を行うことを表明した。これらの支援には、気候変動の影響に脆弱な国に対し、気候変動による被害の防止又は軽減のため、灌漑排水施設の整備を通じた適応策や、洪水や高潮などへの防災対策が含まれることとなっている。
これらに加えて、2021年8月、2022年に完成予定であるIPCC第6次評価報告書(AR6)第1作業部会報告書(自然科学的根拠)が公表されたが、今後数十年のうちに1.5℃を超える地球温暖化の可能性について新たな推計が提供された。温室効果ガスの排出を直ちに、急速かつ大規模に削減しない限り、温暖化を1.5℃近くに抑えるどころか、2℃に抑えることさえ現実的でなくなることが明らかになっており、世界は、気候変動対策を待ったなしで推し進める必要がある。
(2) 国際的な水議論への対応
地球温暖化を含む気候変動で一番影響を受けるのが「水」資源である。降雨のパターンが従来と変わり、渇水や洪水が起きやすくなる。途上国ばかりでなく、日本においてもここ数年水の被害に関する報道は後を絶たない。
1990年代以降、国際的な「水問題」の議論は水資源の逼迫を契機に利用効率の改善を論点として議論が行われてきた。そして、世界の水資源の7割を利用する農業は、常に議論のターゲットとなっている。深刻化する水資源問題を背景に、地球サミット(1992年、ブラジル)、水問題の国際シンクタンクである世界水会議(WWC)の設立(1996年)に始まり、その後WWCにより世界水フォーラムが開催(第1回は1997年、モロッコ)され、第3回世界水フォーラムでは、我が国が開催国となった。当時、水の議論において、「灌漑排水分野、とくにアジアの水田稲作は貴重な水資源を無駄に使っている」「農業用水も価格付けをして利用を制限すべき」といった論調が横行した。
アジア・モンスーン地域の水田灌漑排水システムでは、用水は重要な生産資材であるとともに、生活用水や環境用水としても使われ、水田は洪水防止の役割も果たすなど、いわゆる多面的機能を有している。しかし、これが世界の共通認識となっていなかったため、第3回世界水フォーラムがモンスーン・アジアに位置する日本で開催されたのを契機として、アジア諸国と多面的機能に関する議論を深めるための場として、2004年に水田・水環境国際ネットワーク(INWEPF)を立ち上げた。その後、国際会議等の場でアジアにおける水田農業の重要性について情報発信を粘り強く続けているが、SDGsで水資源の効率的利用がターゲット設定されたことにより、再び水田農業に対する批判的論調の懸念が生じている。2015年に国際社会の目標としてSDGsが設定されたが、水の利用に関しては、SDGsの目標6(水・衛生)において、「水利用効率の大幅な改善」をターゲットに、モニタリング指標6. 4. 1において水利用効率の算定式が採用された。この算定式は、農業・工業・サービスの各セクターにおいて単位水量当たりの生産額の多寡で水利用効率を評価するもので、農業セクターが他のセクターと比較して低効率と評価され、これに伴って、農業から他セクターである工業、サービス業等への水利用転換や、農業用水の徹底した節減要求が生じ、世界の中でとりわけアジア・モンスーン地域の水田農業が批判対象になりうる恐れがある。このため、他セクターへの水利用転換や水田農業への批判が起こらないように、科学的な根拠を確実に積み上げるとともに、アジア・モンスーン地域の関係国と協調しつつ、水田農業の正当性を確保する必要がある。
5 SDGsを踏まえた今後の海外農業農村開発
これまで海外農業農村開発を取り巻く国内外の情勢変化等を見てきたが、国際社会が直面するグローバルな開発課題において、「水」はあらゆる側面で関わり、我々は引き続き重要な立ち位置にいると理解できる。これまで国際協力というのは、被援助国のニーズに応える形で実施したところであるが、平成27年2月、新たに「開発協力大綱」が策定され、我が国は平和国家として、国際社会の平和、安定、繁栄に積極的に貢献することとし、現在のODAの枠組において、我が国自ら協力案件を形成し、被援助国に提案・実施できる仕組みとなっている。しかしながら、海外農業農村開発においては、様々な要因により、協力案件に繋がっていないのが現状である。このため、SDGs達成への貢献が求められる中、今後の海外農業農村開発を進めていくに当たり、いくつか方策を提案することとしたい。
(1) 国際議論への参画
援助協力に先立ち、援助方針の根幹にも影響を与える国際的な政策議論に積極的に参画し、水田農業やアジア・モンスーン地域としての主張を一層強化することが重要である。国際的な政策議論が欧米主導で展開される中、これまで繰り返されてきた水議論は依然として収束しておらず、限りある水資源が気候変動により今後一層ひっ迫することが予測される中、アジアの水田農業が議論のターゲットになり得ることを念頭におくべきである。この対応を疎かにすれば、水田農業を主体とする我が国援助アプローチにも支障を来たすだけでなく、国内政策に対して不利益な改善要求を受けるなど、国内農業も影響を受けることとなる。
そのため、SDGs指標である「水利用効率の大幅な改善」については、我が国が実施する協力案件を通じて、産官学が連携して科学的根拠を積み上げ、水田農業の正当性を訴えていく取組に繋げていくことが重要である。
(2) 我が国の外交政策、協力枠組みへの反映
国際社会として、SDGs達成が至上命題となっている現在、協力案件の実施のためには、SDGsや地球規模課題(特に気候変動)との整合性を優先しつつ、我が国の外交戦略や成長戦略、政府間の合意による協力枠組(日アセアン、日メコン、TICAD等)に基づくことが必要である。そのため、海外農業農村開発分野がこれらに明確に位置付けられ、外交政策上実施すべきものと認知される状況を創出する必要がある。
(3) SDGs達成に向けた新たな協力方策の実施
今後、温暖化対策をより意識した協力案件を実施することが重要である。温室効果ガスであるCO2などの排出量を減らし、温暖化の進行を遅らせる緩和策が重要と考えがちであるが、気候が変化しても災害増加にできるだけ結びつかないようにする適応策が同様に必要であり、海外農業農村開発はその一翼を担っていると言える。適応策は既存の灌漑排水開発や防災対策の延長線上にあるのでなかなか注目を浴びないが、我が国は国内対策では当然のように実施しており、国際協力においても協力案件での成果や効果を、研究者と連携して評価分析を行い、国際会議等において情報発信することで実施の正当化が図られると考える。
また、緩和策には排出権やCDM(先進国が途上国と協力して途上国で温室効果ガス削減プロジェクトを行い、それによる削減量を先進国の削減分とみなすことができる仕組み)といった取組もあるが、灌漑排水施設の操作に必要な太陽電池パネルや小水力発電の活用は時間をかけず協力案件に取り込むことは可能と考える。変化に対する悪影響の軽減に短期的に対応できるのはむしろ適応策である。
(4) 援助アプローチの見直し
農業農村開発は農業に限らず、様々なセクターに及ぶ要素を取扱うことが可能な分野である。援助効果を高める上でもマルチセクターに及ぶ援助アプローチが重要となっている。また、上記で述べたとおり、水利用効率の観点から、アジアを中心とした水田農業において「水を無駄に利用している」との批判的な声に対抗するためにも、灌漑排水施設の整備に合わせてマルチセクターに対応する協力案件の実施を積極的に行い、農業生産という単一目的としないことが望まれる。
具体的には、これまでの灌漑開発が「水+農業」型であるならば、灌漑用ダムの施設運用を見直し、洪水調整能力を設ける他、排水路や水管理施設の整備を充実させる「水+防災」型、施設稼働に必要な太陽光発電や小水力発電を整備し、余力があれば周辺集落にも電力供給する「水+エネルギー」型、灌漑施設と併せて管理用道路をFarm to Market 道路として整備する「水+流通」型、ICT技術やスマート農業の導入に応える「水+通信」型など、地域の特性や援助ニーズに応えた協力案件の形成は可能と考える。