3) 原 (1992)は、新古典派開発経済学の限界を指摘した優れた著作で、「政策介入による歪みさえ取り除けば、市場は効率的に機能する」という理論的想定を批判し、市場の不完全性の下での政策介入の妥当性に言及しているが、情報共有の不完全性の問題は詳述されているものの、市場支配力の存在による市場の歪みについては言及がない。情報の不完全性が除去されても、市場支配力が存在すれば、市場の歪みは解消されない。