─JIIDから─ 日本スリランカ技術交流セミナーの開催 一般財団法人日本水土総合研究所(JIID)では、農林水産省の補助を受けて、今回が日本とスリランカ両国にとって、初めての国際交流となる日本スリランカ技術交流セミナーを平成26年9月8日〜10日に、東京において開催しました。 今回「持続可能な農業開発に向けた圃場(ほじょう)整備と参加型水管理の促進」をテーマとし、スリランカから灌漑水資源管理省実施計画部長をはじめ3名が参加し、日本から農林水産省およびJIID関係者が参加しました。 8日のセミナーでは、齋藤晴美理事長の歓迎の挨拶のあと、日本側は、圃場整備の役割と変遷、土地改良法の手続き、土地改良区の活動、多面的機能支払交付金等、スリランカ側は、圃場整備の実施状況、灌漑開発政策、参加型水管理の変遷や活動事例等について発表しました。 意見交換では、日本から、スリランカにおける灌漑施設の維持管理制度や圃場整備の施工計画などを聴取し、スリランカからは、日本の土地改良法の事業実施手続きや地下水位制御システムに関心が示されるとともに、日本の事業制度や取り組み事例を自国の農業政策に活用していきたい旨の発言がありました。 写真1 セミナーの参加者
9日は岡山県の吉井川下流土地改良区および経営体育成基盤整備事業を実施している倉敷市服部地区、10日は香川県の香川用水土地改良区の現地調査を行いました。 吉井川下流土地改良区では、改良区の組織運営、関係機関による水配分の調整、用水施設の管理体制のほか、同地区で推進している小水力発電に関する説明を受けました。スリランカからは、日本の土地改良区は自国の農家組織が発展した組合であり、学ぶべきことが多いとの意見がありました。 服部地区では、圃場整備の施工現場を視察し、水田の汎用化や大型機械の導入による生産性の向上について説明がありました。スリランカからは、圃場整備の効果は自国で予定している圃場整備計画策定に際し参考にしたいとの考えが示されました。 香川用水土地改良区では、香川県の農業用水事情、香川用水と既存のため池との関係、施設の維持・補修などについて説明の後、ため池を運営管理する水利組合長と意見交換を行い、農業者自らが用水末端の水管理を行っていることに関し、役割分担や配水の決定方法について、熱心に質疑応答が行われました。 このように、大いに議論が交わされて、充実した技術交流セミナーでした。 写真2 セミナーの開催
|