4) Bosner, Leo .2012. "Can Japan Respond Better to its Next Large Disaster?" The Asia-Pacific Journal, Vol 10, No 1. 米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)のベテランOBである著者が東日本大震災の1年弱後に被災地に入り、多数の関係者(中央と地方の政府関係者、市町村職員、自衛隊、NPO、消防、大学、私企業、ボランティアなど)と討論、聞き取りなどを行いレポートにまとめた。
それによれば、きわめて困難な状況下、日本政府の関係当局、民間団体などによる献身的な支援活動に高い賞賛を惜しまないとしつつ、災害プロの目から見た具体的な問題点を指摘し、国家レベルで通用する総合災害マネジメント・システムの導入を助言している。
似たような問題意識からか、原子力規制委員会設置法(2012年6月)に合わせ採択された参議院附帯決議に、次の一項があるのは興味深い。「政府は、(中略)原子力災害を含む大規模災害へのより機動的かつ効果的な対処が可能となるよう、大規模災害に当たる政府の組織の在り方について、米国のFEMA等も参考に抜本的な見直しを行い、その結果に基づき必要な措置を講じるものとする」