─JIIDから─

現地適正化技術開発交流セミナーの
開催報告

 一般財団法人日本水土総合研究所(JIID)では、農林水産省からの補助を受けて、平成25年2月5日〜7日に現地適正化技術開発交流セミナーを日本で開催しました。

 セミナーのテーマを「自然災害に対する軽減対策」とし、タイ・王室灌漑局長、ラオス・灌漑局長、フィリピン・国家灌漑庁長官を含め、海外から3か国4機関の12名が参加し、日本からは農林水産省およびJIID関係者、学識経験者が参加しました。

セミナーでは、関係各国における自然災害による被害状況、それに対して関係機関で取り組んでいる復興対策や防災に向けた対策・経験などを紹介するとともに、日本からは東日本大震災による被害と復興状況などを紹介し、各国における今後の取り組みへの参考となるように、幅広い意見交換を行いました。

2月5日のセミナーでは、海外の各参加機関は、近年多発している各国における自然災害による被害状況とそれに対して各機関で取り組んでいる対策などについて、日本側は、農村工学研究所から東日本大震災による農用地と農業用施設の被害状況およびその復興技術について、JIIDから海外における洪水に対する適応策の事例についての発表が行われました。

写真1 セミナー参加者集合写真
写真1 セミナー参加者集合写真

その後、(1)災害時および事前の情報伝達の重要性、(2)渇水時の水配分の決定手法とダムの貯水位管理、(3)ダムの安定性に関するモニタリングの必要性とその手法、などについて各国が抱えている技術的な課題に対して、どのように取り組んでいくべきかを中心に活発な討議が行われました。

 6日は水土里ネット那須野ヶ原の、7日は農村工学研究所の現地調査を行いました。

 水土里ネット那須野ヶ原では、ビデオなどにより同改良区連合の概要、深山ダム整備に関する説明を受けました。また、同地区で推進している小水力発電、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーに関する説明を受けました。

 農村工学研究所では、同研究所の概要について説明の後、沿岸農用地および農業用施設における、津波からの防災・減災対策について、農地土壌の放射能汚染対策や技術について説明を受けました。また、地震の揺れを再現する三次元振動装置などの実験施設を視察しました。この際、参加者からは、自然災害や防災に対する先進的な技術について、情報の共有や積極的に導入を検討したい旨の発言がありました。

写真2 セミナー実施状況
写真2 セミナー実施状況

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