編集後記 わが国の年間発電電力量の推移をみますと1955年度が540億kWhでしたが、2010年度には1兆64億kWhと18倍を上回っています。55年度当時といえば街頭テレビの時代です。さて、昨年の夏の節電時の家庭の消費電力量に関するある調査では、当然ですがエアコン、冷蔵庫、テレビ、照明と続き、待機電力、PC、温水便座も少なからぬ消費割合を占めています。まさに、エネルギーが支える便利で快適な暮らしですが、発電のためのエネルギーの大半を海外に依存しているわけですから、こうした生活の見直しが必要かもしれません。 さて、東日本大震災以降、安全性と地球温暖化防止対策を両立させる選択肢として、再生可能エネルギーへの期待が、従来になく高まっています。この7月からは、再生可能エネルギー固定価格買取制度も始まります。ドイツやスペインにおける太陽光発電の新設動向をみると、買取価格の引き下げが発表されると駆け込み新設が一気に増加して、引き下げ直後には激減しています。つまりは、それだけ政策に大きく影響されるともいえます。 風力、地熱、小水力、太陽光、バイオマスといった再生可能エネルギーは市街地や都心でも導入できる太陽光パネルなどを別にすれば、立地は農林水産業が営まれている地域が主体になります。フード・セキュリティにくわえ、エネルギー・セキュリティへの貢献が期待されます。
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