─JIIDから─ 現地適正化技術開発交流セミナーの 財団法人日本水土総合研究所(JIID)では、農林水産省からの補助を受けて、2012年2月8日〜10日に現地適正化技術開発交流セミナーを日本で開催しました。 セミナーのテーマを「自然災害に対する適応策の検討・防災に向けた取組」とし、タイ・王室灌漑局長、インドネシア・スラゲン県知事を含め、海外3か国(ラオス含む)から10名が参加し、日本からは農林水産省およびJIID関係者、学識経験者が参加しました。 セミナーでは、関係各国における自然災害の被害状況、それに対して関係機関で取り組んでいる復興対策や防災に向けた対策・経験などを紹介するとともに、日本からは東日本大震災による被害と復興状況などを紹介し、各国における今後の取組への参考となるように、幅広い意見交換を行いました。 2月8日のセミナーでは、まずJIIDの森田昌史理事長から「農業農村振興と国土経営〜新たな食料危機の時代を迎えて〜」についての発表が行われました。また、海外の各参加機関から、近年多発している各国における自然災害の被害状況とそれに対して各機関で取り組んでいる対策などについて、日本からは農村工学研究所およびJIIDから自然災害に対する適応策や防災対策についての発表が行われました。その後、各国が抱えている自然災害に関する技術的な課題についてどのように取り組んでいくべきか、ということを中心に活発な討議が行われました。 写真1 セミナー終了後の参加者集合写真
9日は農村工学研究所の、10日は那珂川沿岸農業水利事業所の現地調査を行いました。 農村工学研究所では、概要説明の後、東日本大震災による農地や農業水利施設の被害状況とこれに対する復興・復旧に向けた対策・技術について説明を受けました。また、地震の揺れを再現する三次元振動装置や、屋外では特殊土嚢による越流許容型ため池工法、実験水路における津波の再現状況などを視察しました。この際、参加者からは、自然災害や防災に対する先進的な技術について、情報の共有や積極的に導入を検討したい旨の発言がありました。 那珂川沿岸農業水利事業所では、概要説明の後、御前(ごぜん)山ダムを見学しました。ダム管理所では、ダムの概要や各種データのモニタリング状況など、施設の状況の説明を受けた後、ダム内部の監査廊の視察も行いました。参加者からは計画段階からの環境影響評価に関する質問があり、事業所からは工事期間中の周辺環境や希少生物に配慮した対応策などが紹介されました。 写真2 農村工学研究所屋外フィールド視察状況
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